【コラム】早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』はどんな作品?
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早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』
馬主と秘書の20年を描いた物語
2025年にTBSの日曜劇場でドラマになり、競馬を知らない人にも広く知られた『ザ・ロイヤルファミリー』。馬主の側から競馬を描いた、ほかにあまりない作品です。
原作の小説とドラマの見どころを、ネタバレなしで紹介します。
作品の基本情報
| 項目 | 内容 |
| 作品 | ザ・ロイヤルファミリー |
| 作者 | 早見和真 |
| ジャンル | 長編小説 |
| 受賞 | 2020年 山本周五郎賞、JRA賞馬事文化賞 |
| 映像化 | TBS日曜劇場(2025年10月期、主演 妻夫木聡) |
どんな作品?
税理士の栗須栄治が、ある馬主と出会ったことで競馬の世界に引き込まれ、その秘書として20年を過ごす物語です。
競馬の物語は、騎手や調教師、牧場の側から描かれることが多いです。この作品はそうではなく、馬を買い、レースに出し、勝ち負けに大金と人生をかける「馬主」の側から競馬を描いています。
ふだんの競馬ファンからは見えにくい世界を、秘書の目を通してのぞけるのが一番の魅力です。
山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞の両方を受けています。小説としての評価と、競馬の作品としての評価の両方を得た作品です。
あらすじ(序盤だけ)
税理士の栗須栄治は、仕事をきっかけに、人材派遣会社の社長で馬主でもある山王耕造と出会います。豪快でわがままな山王に振り回されながらも、栗須はその人柄と、馬にかける思いに引かれていきます。
山王の持ち馬は「ロイヤル」の名前を冠しています。栗須は秘書として山王を支えながら、目標である大きなレースの勝利を、山王と一緒に追いかけていくことになります。
見どころ
■ 馬主の世界のリアル
セリでの馬の買い方、牧場や調教師との付き合い、ほかの馬主との張り合い。馬主の仕事はレースの日だけではありません。
お金も感情も大きく動く世界が、具体的に描かれています。
■ 20年という長い時間
物語は20年にわたります。競走馬は数年で引退しますが、その血は子どもへと受け継がれていきます。
馬の世代が変わっていくのと同じように、人の世代も変わっていく。競馬ならではの時間の流れが、この作品の大きなテーマになっています。
■ 競馬を知らなくても読める
主人公の栗須は、もともと競馬を知らない人です。読者は栗須と一緒に、少しずつ競馬の世界を知っていくことになります。
競馬に詳しくない人でも置いていかれない作りなので、競馬の入門としてもすすめやすい一冊です。
ドラマ版(TBS日曜劇場)
2025年10月期のTBS日曜劇場でドラマになりました。主演は妻夫木聡で、栗須栄治を演じています。
JRAが全面的に協力し、実際の競馬場で撮影が行われました。第1話には武豊騎手が本人役で出ています。
ドラマで初めて競馬に興味を持った人も多い作品です。ドラマを見てから原作を読むと、ドラマでは描き切れなかった人物の心の動きまで味わえます。
競馬ファン目線の楽しみ方
- ふだん「馬主」としか見ていない名前の後ろに、どんな人と事情があるのかを想像したくなります
- 一口馬主をやっている人は、自分の出資馬と重ねて読むと面白いです
- 親子や血のつながりのテーマは、血統で競馬を見る人ほど刺さります
こんな人におすすめ
- ドラマを見て原作も気になった人
- 競馬をあまり知らないけれど、競馬の物語を読んでみたい人
- 仕事や家族の話としても読める、骨太な長編を探している人